特定非営利活動法人 富山県防災士会

理事長 小杉 邦夫

 ごあいさつ

 

 東日本大震災から8年になりますが、多くの方が尊い命を亡くされたことから、改めてお互いに助け合う共助の重要性が明らかになりました。

 このことを受けて、国では災害対策基本法を改正し、5年前の2014年

4月(平成26年)から「地区防災計画制度」が始まりました。

 

 日本の防災対策の体系は、国→都道府県→市区町村→住民といわばトップダウンでした。国が大きな方針を決めて、その方針のもとで、都道府県と市町村が地域防災計画を定めて取り組むといった構図です。

 そこで地域住民や企業、NPOなど各種活動団体が、自分たちで災害時の対応や事前の備えについて

計画を作り、行政に提案できる制度がスタートしたのがが地区防災計画です。

 従来、トップダウンだった日本の防災対策が東日本大震災を教訓にボトムアップとしたことが画期的な制度だと思います。

 

 日本防災士会では地区防災計画策定の推進を最重要課題として挙げられています。富山県防災士会においても住民自ら地域の防災対策を積極的に推進し、策定できるようサポートしなければならないと考えております。

 居住地域のリスクコミュニケーションをはかり、自助・共助による安全性を高め、地域の価値を高める活動につなげなければならないと思います。

 こうした地区防災計画策定に向けた取り組みは、安全かつ強靭で持続可能な地域づくりにつながることから、今まさに新しい令和の時代のSDGs(持続可能な開発目標)にも結び付くものと言えます。

 また、こうした計画の中に、避難所の質の向上に向けた新たな仕組みづくりや女性の視点を取り入れることは決して欠かしてはならないことです。

 

 平成時代30年間の災害では、災害関連死は5000人にも及ぶとの新聞報道がありました。様々なところで技術革新、新しいシステムの構築が進んでいる中で、避難所の環境だけが劣悪なままで、戦前から全くと言っていいほど変わっていません。最近では、段ボールベットの導入等の改善も見られますが、依然として体育館の避難所は最悪の環境です。この状況を変えるべく、関係方面へ働きかけなければならないと思います。

 

 例年実施している県内行政の防災担当部署・関係機関を表敬訪問、今年4月に3日間かけて訪問し、情報交換を行いました。行政レベルの方針もお聞かせ頂きましたし、私たちの要望も伝えました。女性防災士を増やしたいという市町村、高校生への呼びかけをしているという市町村、防災訓練の見直しをしたいのでお知恵を借りたい等々いろいろお聞きすることができました。毎年のことながら、行政との密接な関係づくり、連携の重要性を改めて認識している次第です。

 

令和元年5月